Picture story book(絵話)  ボロット 第十三話

★第十三話★

日を追うごとに、ボロットの動きが鈍くなってきた。

 

違和感を感じたユカちゃんは、ムサシに問いかけた。

 

 

「ねえ。ボロットの調子が悪いみたいなの。診てあげて。」

 

 

ムサシは本当のことを打ち明けることにした。

 

 

「実は、ボロットなんだけど・・・あと少しで動かなくなってしまうんだ。」

「えっ!?嘘でしょ!?だってついこの間まで元気に動いていたよ!?」

「損傷のひどい部分があって、直せなかった箇所があったんだ。少しの間だけなら動けるようには修復したんだけど。言うのが遅くなってごめん。」

 

 

ユカちゃんは泣きわめいた。

 

 

そんなの嫌だよ。

 

 

だって、

 

 

ボロットは家族なんだよ。

 

 

 

動かなくなるなんて嫌だよ。

 

 

 

ムサシはユカちゃんをなだめるのに必死だった。

 

 

しばらく経って、少し落ち着いたユカちゃんにムサシは語りかけた。

 

「最後の思い出作りに、どこか三人で行かないか?」

 

 

ユカちゃんは、悲しみをこらえながらこう言った。

 

 

「ぐすっ。あの場所に行きたい。」

 

第十四話へ続く

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